小学生になると必ず勉強する漢字。
- 効率的な漢字の覚え方を知りたい!
- 家で子どもにも教えられるようになりたい!
と思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに国語の単元の中でも漢字の勉強は上位に来るくらい苦手な子が多い単元です。
そこで、この記事では学年別に効率よく漢字を勉強する方法や自宅でどうやったら効率よく漢字を勉強することができるかなどを詳しく解説していきます。
塾長
そもそもなぜ小学生で漢字を学ぶの?これからの時代に漢字は絶対必要?
スマホにタブレットにパソコン…。今や紙に手書きで文字を書くこと自体、少なくなってきましたよね。
スマホやパソコンがあれば、漢字を覚えなくても変換機能が正しい漢字を教えてくれるので、大人であれば1日文字を書かなかったという方も少なくありません。
それに、2020年からは小学校でもプログラミングの教育が必修化。
【学年別】小学生が漢字を覚えるための秘訣!確実に漢字が身につく3つの学習ポイント!それを考えるとますます漢字など書くことが自体が減っていきます。
ただ、だからといって漢字がなくなるわけではないですし、漢字を覚えて書くという学習は小学校では必須です。
では、小学校で漢字を覚える理由とはなんでしょうか?
主な理由はこちらの2つです。
- 学力の基礎となる読解力を身につける
- 日常生活において言葉を正しく使えるようになる
学力の基礎となる読解力を身につける
漢字の力は読解力に直結します。国語の長文読解にもたくさんの漢字が使われています。
長文読解の攻略の基本として、正しく漢字を読めることはもちろんですがそれ以上に、文章に対する抵抗感をなくす為に漢字の力を身に着けることは必須です!
そして文章に対する抵抗感は、国語だけでなくほかの全教科に影響します。
例えば、よくあるのが、社会のテストで漢字が読めなかったせいで、文章の意味がわからず問題が解けなかった。
漢字を覚えていない子に多いケースです。
おそらく漢字が読めて問題の意味がわかっていれば解答できるものの、そもそも文章が読めていないので、非常に持ったない間違いです。
なので、小学生の早い段階で漢字の力を身につけておくことは、読解力に繋がり後々の勉強(他の教科等)に必ず必要になる。
これが1つ目の理由です。
日常生活において言葉を正しく使えるようになる
普段何気なく使用する言葉の意味や使い方を知るためにも漢字を勉強することは必要です。
きちんと漢字を学習していると、知らない言葉に出会っても、何となく言葉の意味を感じ取ったり、
スマホやタブレットのない環境でも正しい場面で正しい漢字や言葉を扱えるようになります。
言葉は人と人とのコミュニケーションを円滑にするための必須ツールなので、たくさんの正しい言葉を知っている・使えることは、今後の人生において必ず必要となります。
【学年別】子どもの脳の発達に基づいたおすすめの漢字の勉強法!
子どもの脳は年齢に応じてどんどん発達していきます。
そのときそのときの発達にあわせて漢字の覚え方を工夫できると、吸収率はぐんとアップします!
そのため、年齢に合わせて上手に教えて行くことがとても重要です。
そこでここからは、どう漢字を勉強していけばいいのかわからない方向けに、学年別に特に重要な部分を紹介していきます。
小学1・2年生は五感を上手に利用する
小学1.2年生(小学校低学年)の時期は、まだまだ机に向かって勉強をすること・頭の中だけで行う学習は発達段階的にとっても苦手です。
そこで、小学校低学年の子どもに漢字を覚えさせていくには、五感を通した覚え方がを上手に活用しましょう。
例えば、
- 声に出して漢字の読みを唱えながら書く
- 体を動かしながら覚える
など、ただ書くだけではなく、漢字を書く前に「漢字の読みを唱えながらなぞり書きと空書き」をすることを取り入れてみてください。
そうすることで、五感を通して楽しみながら漢字を覚えることができるのでとてもおすすめです。
小学3・4年生は漢字の意味や成り立ちを教えてあげる
小学3・4年生は徐々に頭の中だけで論理的思考ができるようになるので、漢字の成り立ちを想像できるようになります。
なので、
- その漢字がどうしてできたのか
- 書いている漢字の意味は?
- 好きな漢字のは?
など、漢字の成り立ちや意味についてエピソード交りで教えると効率的に漢字を覚えることができるのでおすすめです。
また、徐々に「遊びを中心とした学び(五感を通した学び方)」から「本格的な教科学習(頭の中だけで理解できる学び方)」へシフトできるのも小学3・4年生の特徴です。
個人差で、このシフトが早い子・遅い子が出てくるので、子ども同士の学力の間に差が出てくるようになります。
これがいわゆる「9歳の壁」「10歳の壁」ともいわれ、学習意欲を左右する時期でもあります。
「うちの子のテストの成績が低い」「他の子は優秀なのにうちだけ…」と、マイナスに考えてしまうのではなく、焦らずにお子さんにあったレベルの学習を続けていくようにしましょう。
小学5・6年生は漢字の意味を熟語で覚える
かなり大人の脳に近づく小学5・6年生。
小学5・6年生では、何度も漢字を書いて覚えるよりも、漢字の示す意味熟を覚えて、さらに熟語と関連付けて覚える勉強法がおすすめです。
おそらく漢字に限らず文字などはスラスラ書けるお子さんがほとんどなはずですが、単純な反復作業で覚えるには限界があります。
たとえば、小学5年生で習う漢字「夢」は、「夢中」「悪夢」などその漢字の意味を関連付けて熟語として覚えるとより覚えやすくなります。
このように漢字の意味や熟語から関連付けていくのです。
こうした関連付けや、自分なりの学習方法の工夫は中学校以降の学習の基盤としても役立ちます!
【漢字】すべての学年で取り入れてほしい3つの学習法
先程紹介したのはあくまでも学年別でしたが、ここからは、上記で紹介した勉強法のほかにおすすめしたい漢字の覚え方を2つ紹介します。
お子さんの性格などにも合わせて学習方法を工夫してみてください!
最初から漢字を書かない!
漢字を書く回数よりも、その漢字を脳にしっかりと記憶させることが大切であると最初に解説しました。
なので、まずはいきなり漢字を書かないことが大きなポイントです。
ではどうするのか。まずはお手本の漢字をじっと見て脳に染み込ませることを意識してあげてください。
見るポイントは
- 書き順
- トメはね
この2つ。
次にじっと見て脳に記憶させたら、お手本を見ずに1回目を書いてみます。
書き終わったら、お手本と見比べて間違っているところやトメはねが不十分なところがないかを探します。
そして最後に、お手本を見て間違ったところを間違えないように意識しながら2・3回目をゆっくり丁寧に書いて終了です!
流れをまとめると以下のような流れになります。
- 手本の漢字をじっと見る(書き順やトメハネを意識)
- 手本を見ないで書く(間違いがないかチェック)
- 間違ったところを意識して書き直す(2・3回)
書いた回数はたった3回ですが、1つの漢字を覚えるのにしっかり時間をかけているのがお分かりかと思います。
まずは、
- お手本をしっかり覚える
- 見ないで書いてみる
- 間違ったところを修正して正しいのを覚える
これでしっかりと脳に漢字を染み込ませるようにしましょう。
反復練習しすぎない
「明日までにこの10個の漢字を10回ずつ書いてきなさい!」
という宿題を出されたことはありますか?
今や漢字宿題の定番となっている練習ですが、この無限にも思える反復練習…一体効果はあるのでしょうか。
実はこの反復練習、必ずしも記憶定着に向いているとは言えないのです。
というのも、同じ漢字をひたすら書き写していると、その漢字を単なる模様として脳が受け付けるようになります。
いわゆる「ゲシュタルト崩壊」が起こり、たくさん書いても漢字を覚えることができず、大変非効率なのです。
ゲシュタルト崩壊(ゲシュタルトほうかい、独: Gestaltzerfall)とは、知覚における現象のひとつ。 全体性を持ったまとまりのある構造(Gestalt, 形態)から全体性が失われてしまい、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象をいう。
引用:Wikipedia
つまり量より質!漢字を書く回数ではなく、いかにして脳にその漢字を記憶させるかということが漢字を覚えるうえで最も大切になります。
3回の書き取りで十分
漢字を覚えるときは、何回も書いても効果的ではないことを今紹介しましたが、では実際に何回かいたら覚えるのでしょうか?
結論から言うと、繰り返しますが、漢字を覚えるには3回の書き取りで十分です。
脳が漢字を模様として受け付けてしまう前の段階で、しっかり文字として漢字を脳に記憶させることを意識しましょう。
習った漢字を日常的に使う
学習した漢字は、日記や作文などで積極的に使って常に使わせる(アウトプット)ようにしましょう。
習った漢字を使って、お友達や家族へお手紙を書いてみよう!などもいいですね。
もちろん、ほかの教科にも漢字はたくさん出てきますので、宿題を見てあげるときに漢字も一緒に復習できるとなお効率的に漢字のアウトプットができます。
アウトプットすることは、記憶を定着させるために非常におすすめですので、学校と家庭を通して、漢字に触れる機会を増やしていきましょう。
ご家庭で小学生のお子さんに漢字を教えるときの3つのポイントや注意点
上記で紹介した「学年別のポイント」「すべての学年におすすめできる学習法」をとりあえず行ってもらえれば、漢字も効率よく覚えることができるでしょう。
ただ、ご家庭で保護者様が小学生のお子さんに漢字を教える際には以下の3つのポイントも合わせて抑えておくのがおすすめです。
- 間違いにバツをつけるよりも正解にマルをつける
- 集中させるために時間を計るのは逆効果の場合もある
- ほかの子と比べない
間違いにバツをつけるよりも正解にマルをつける
子どもはダメだと思ってしまうと、漢字の勉強が嫌いになってしまう可能性が高いです。
そのため、間違いにはなるべくバツをつけないで正解にだけマルを付けるようにしましょう。
一般的な漢字の学習ノートは、見開きで漢字をたくさん書けるように構成されています。
見開きで丸付けの終わったノートを見たとき、子どものモチベーションがより下がるのはどちらでしょうか?
- 赤ペンでバツがたくさんある中にひとつだけマルがあるページ
- 赤ペンでマルがひとつだけあるページ
ぱっと見たときにバツばかりのノートは、マルを探すのも一苦労で気持ちは一気に下がってしまいます。
反対にマルだけが書かれている場合は、正しく書けた漢字を見本として、ほかの漢字は何が間違っていたのか比較することができますよね。
バツはつけずに、今日よりも明日、明日よりも明後日、マルの数が増えていけるように応援しましょう!
集中させるために時間を計るのは逆効果の場合もある
集中して勉強に取り組んでほしいからと、時間を計って取り組ませるのはかえって逆効果の場合もあります。
特に漢字学習の場合、冒頭のほうでも解説しましたが、繰り返し書き写すことで漢字を単なる模様として脳が受け付けます。
その状態で速さを目標にして時間を計ると…ただの手の運動になってしまいます。
宿題は早く終わらせればいいというものではありません。
脳にしっかり記憶させるには、速さよりも時間をかけたほうが効果的な場合が多いです。
時間をかけるとダラダラして終わりません。という場合には、
「17時までは漢字の勉強をしよう!」というように、漢字学習に使う時間をあらかじめ区切っておくほうが良いでしょう。
ほかの子と比べない
これは漢字の勉強に限ったことではありませんが、小学生の時期は、対人関係から生じるネガティブな感情に支配されやすい時期です。
「●●ちゃんは漢字のテスト100点だったんだって。あなたもがんばって!」というように、他者と比べることは自己評価や自尊心をさげてしまうばかりか、
自分より劣っている人を探すことで安心を得ようとし、勉強に対する向上心はあがりません。
どんな教科学習でも基本的に比べるのは自分自身の勉強にだけにしましょう。
「昨日よりマルが増えたね!」「昨日よりきれいに書けるようになったね!」など、その子自身の成長に目を向けてあげましょう。
まとめ:お子さんの成長に合った「漢字」の学習法を探そう
小学生の脳はまだまだ発達途中です。
学年(年齢)に応じて子どもの脳は大人の脳に向けてどんどん成長し、得意不得意が変わっていきます。
特に漢字学習は暗記が中心なので、発達にあわせてちょっと工夫をしてあげることでその吸収率はぐんと伸びます。
ぜひ、 今回の話を参考にお子さんの成長に合った「漢字」の学習法を探して取り入れてみてください!
コメントを残す